■ 抄録・要旨
| 水質汚濁防止法の制定後、事業者・地方公共団体のたゆまぬ努力や住民の公害防止活動があって、激甚な水質汚濁は解消された。しかし、閉鎖性水域における水質改善は充分に達成されておらず、また多様な有害物質による土壌や地下水の汚染が生じるなど、必ずしも良好な水環境がよみがえったとはいえず、新たな施策の展開が求められる。気候変動に伴う地球温暖化は降雨量や水生生物の生息環境への変化をもたらし、生物多様性の維持向上の高まりを受けた水圏生態系の保全など、21世紀における水環境問題は、地域規模の汚染から地球規模の問題に至るまで幅広い観点から取り組まねばならない。
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